左利きのゴルフ

私がゴルフを最初に習い始めた時は、大学を卒業して間もなくのことです。それは、誰もがそうであったように先輩からクラブ一式を譲り受けたことから始まりました。

その先輩から、非常なる熱意と愛情のこもった特訓を受けざるを得なくなって「グリップはこう!アドレスはこう!スタンスは・・・!」といわゆる教え魔の餌食にされたものです。
もちろん彼はごくノーマルな右利きの人でしたから、私が「左利きではないか?」という疑問はまったく持たずに懸命に右利きのスイングを私に教え込みました。教えられる私もゴルフとはこういう窮屈なものなんだと、プレーマナーも含めて言い聞かされたものですから素直にそのまま彼のいうとおりにレッスンを受けておりました。
しかし、練習すればするほど、コースに出れば出るほど、他の人とは完全に違ったスイングになっていくのです。

2年ほどして、やっと左でゴルフをしている人もいるということに気付いて、教え魔の彼に「私は左利きである」と報告しました。が、そのとき彼は驚きもせずに「ゴルフは左手リードでスイングするものだから君は非常に有利である。だから当然そのまま続けるべきある」と大いなる自信をもって私に宣告しました。私も「そうか!自分は他の人よりも断然有利なんだ!」と単純に思ってしまいましたから、前にも増して一生懸命にゴルフの練習を続けました。

結果は・・・!

男の子は小さい頃から野球やサッカー、中にはテニスや卓球といった球技に身体が慣れ親しんできておりますから、ボールを、打ったり投げたり蹴ったりするのにこと細かく教えられなくても人並みにある程度は出来るものです。
草野球のバッターボックスに立った時にグリップやスタンス、ましてテークバックなど考えてはいません。ただひたすらピッチャーの投げたボールを打つことだけに集中していますから、左肩が入っているか?トップの位置はどうなっているか?などおよそ思索の範疇外です。
いわば、本能のおもむくままにバットを振りまわして大人になるのです。

そのように育ってきた人間がゴルフをする段になって、いきなり逆の身体の使い方をしても理屈だけでは解決しない部分が出てきます。

私の場合、ゴルフをしている最中に突然私の身体がストライキをおこします。スコアもまあまあで楽しんでいる時に限って、もともと左利きの身体が右利きのスゥイングを拒絶するのです。

シャンク・引っかけ・プッシュアウト・OB・etcなんでも有りの一日です。

「左打ちに直せばいいのに!」と親切に忠告してくれる人もおられますが、再度あの窮屈なスイングを左手で何年もかけてやり直す気になりません。今では諦めて、私のゴルフは”ゴルフによく似ているスポーツ”と割り切って楽しんでいます。